スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 /
「民間防衛」より引用 P256
政府の権威を失墜させようとする策謀
社会進歩党は、その第一次作戦が成功したと判断している。今や第2次攻勢に移った。
その目指すところは、政府と国民との離間をはかることであって、そのためには、刃向かう者すべてを中傷し、それに対して疑惑の目を向けさせることが必要である、と考えている。
そこで、連邦政府や州当局の有力者が特に狙いをつけられることになる。これらの要人に対して疑惑の目を向けさせることによって、政府の権威は根底から覆えされていくのであって、国民がこれら当局者を信頼しなくなったときこそ、国民を操縦するのに最も容易なときである。
社会進歩党は、偽りの怪文書をばらまくとか、その他、国の組織や制度に打撃を与え得ぬあらゆる手段を用いる
現存の組織および制度を麻痺させることは、その程度を問わず絶好の方策である。連邦議会は攪乱工作にとってこの上ない標的なので、社会進歩党の議員たちは、ここで、できる限りの手段をとるであろう。
スパイおよび情報機関は、共同して、軍隊の価値に対する疑惑の念を広めようとする。そして、軍部は、やむことのない攻撃の目標となるのである。
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 /
「民間防衛」より引用 P257
政府と国民は一致団結している
このような状況のもとで、連邦内閣は、全スイス国民に対して、次のような声明を発した。
事態を冷静かつ客観的に分析してみると、スイスは国の内外で、実際の戦争に苦しんでいるわけではないが、戦争状態にあると考えざるを得ない。端的に言えば、われわれの直面しているのは、武器をもって戦う戦争ではない。
しかしながら、今日、一種の戦争は厳として行われている。それは、武力による戦争に比して直接的な破壊が少なく見えるからといって、その恐るべし効果は軽視できない。わが祖国は、ここ数ヶ月の間、強い圧力の下に置かれている。その圧力には、われわれに、それに対して確かに正当な防衛権を行使する権利がある、と信じさせるに十分なほどのものである。
連邦内閣は、スイス全国民に告げる。−−−われらの自由と独立を守るため、合法的なあらゆる手段を使って戦え!
連邦議会は、連邦内閣に対して、あらゆる防衛措置をとることができるよう全権を与えた。
敵の手による偽りの宣伝にだまされるように注意せよ。敵側の宣伝は、スイスのラジオ放送と同じ周波数で送られてくることも考えられる。
すべてのスイス人は、一せいに共通の目標のために団結せよ。それは、わが国の制度とわれわれの自由を維持するためである。われわれは、この試練を乗り切って勝利を得よう。
神よ、戦争の種類のうちの、この最も危険なものとの戦いに勝たしめるため、われらにその御手を貸したまわんことを!
ここの例では、「敵側の宣伝は、スイスのラジオ放送と同じ周波数で送られてくる」という複雑なことが書いてありますが、日本の場合には、そのまんま「筑紫哲也NEW23」や「報道ステーション」で敵の宣伝してますから..