スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 /
「民間防衛」より引用 P238
敵はわれわれを眠らそうとする
ある国家元首の演説から:
《…われわれが持っている望みは、たった一つ。全ての人と平和的に暮らし、人類の幸せのために協力することである。
それは、わが国民全てが胸に抱いているものである。
このために、われわれは日々経済力をつけているのだ。わが国民一人一人が、やがて、自分の家と、テレビ・セットと、自動車を持つようになるだろう。
われわれは、全ての国と、商業的かつ文化的関係をつくり上げたい。貧しい人々の生活水準を向上させるのを援助しよう。彼らに進歩への道を示してやろう。
われわれは、ある国々が、全ての軍事的競争をやめる必要があることを、未だに理解しないのを残念に思っている。これらの国々が、われわれの例にならって、世界平和の確保のために彼らが努力することを、切に望むものである。》
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 /
「民間防衛」より引用 P239
われわれは眠ってはいない
われわれは、この外国元首の演説を聞いた。彼は、われわれに対する善意を保障する旨を述べている。しかし、われわれは、また、彼の著書、すなわち「政治的告白」をも読んでいる。
われわれは、そのときから、彼のこのような宣言をどのように評価しなくてはならないかを知っている。
また、われわれは、全体主義大国の戦争準備のために衛星国に要求される役割を知っている。これら衛星国は、「保護者」のために、血を流さねばならず、「保護者」と称する大国は、衛星国を飢えさせ、衛星国の最も優れた肉体的・知的労働者を奪い取ってしまうのだ。
衛星国は、自分たちに関係の無い勝利を大国に得させるために奴隷のように働いた上、彼ら自身が持っているものを全て剥ぎ取られてしまうだろう。
この強制労働の上に、更に、あらゆる種類の屈辱が加わるだろう。彼らは召使のように取り扱われ、自由世界の破壊に参加しなくてはならないだろう。われわれが衛星国を解放しようとすれば、その試みは、すべて容赦なく押しつぶされてしまうだろう。そして、非難する場所を求めて世界中をさ迷っている無国籍者と、悲惨な運命を共にしつつ逃走を試みることしか、残された道はないだろう。
若者たちは、準軍隊的の組織に組み入れられて、専制者の野望のために容赦なく犠牲にされるだろう。
甘い言葉ばかり言う政党に気をつけてください。