「民間防衛」より引用 P262
内部分裂への道
スイスと同様に全体主義諸国によって脅迫されているわれわれの隣国では、ついにクーデターが起こり、侵略者に協力する政党が政権を握った。
外国勢力は、時を移さず、彼らの立場からの「秩序維持」のために行動を開始した。その結果、この外国勢力がスイスの国境に迫ったのである。
国境には、スイスの弱小な部隊しか駐留していなかったので、偶発的な衝突が幾つか起こって国境は突破されそうになり、
政府は、脅迫に屈して陳謝するのみだった。
政府は外国勢力の圧力に屈し、国家安全保障のための態勢の解体さえ命じた。
社会進歩党は、この措置を歓迎するとともに、隣国の占領国と軍事同盟条約を結ぶように圧力を加える。
スイスは分裂した。
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 /
「民間防衛」より引用 P263
自らを守る決意をもっていれば
われわれの隣国に起きた事件やこれまでに述べてきたもろもろのことは、注意深いスイス国民にとって幸いな結果をもたらすであろう。
つまり、危険が目前に迫ったことによって、これまでどっちつかずの態度でいた者は、はっきりとした態度をとらざるを得ないことになり、また、スイス国民の精神的連帯感は刻一刻と強まっていくのである。
今隣国に起こっている悲劇、すなわち、その国を支配し、その国の自由と独立の伝統をすべて破壊しつくす外国の侵略軍を、みずから招きいれた国の悲劇を目の前にして、
これまで最も盲目的であったものも今や事態に目覚めるのである。全スイス国民は、若干の裏切者を除いて固い団結を誇っており、共通の理想のためには死をかけて戦う用意がある。
ただちに発動される総動員令は、あらゆる代償を払っても抵抗するという固い決意を示すものとなるであろう。
全体主義諸国の元首からの脅迫状は、そのまま突き返されるであろうし、扇動者どもは、直ちにその破壊活動を阻止され、裁判所に送られるであろう。われわれ国民の固い決意はここにおいても、また、わが国を救う。
現在、他国からの軍事的脅しから対抗できる力は、在日米軍です。しかしこれではアメリカ頼りの日本となっているだけです。これからもずっと米軍頼りとするのか、コストをかけても自衛隊を強化し、スイスのように自立することも検討してみるべきかと思います。