「加治隆介の議」に学ぶ - 第10巻 P475〜478 加治隆介総理大臣 所信表明演説 -
このサイトでは、「加治隆介の議」からの引用部分は枠内部分に記述し、その前後に解説と私見を加えてます。
登場人物の紹介はこちらです
ついに総理大臣になった加治隆介。所信表明演説です。
第10巻 P475〜478
「所信表明演説」
この度内閣総理大臣にご指名いただきました加治隆介です
就任にあたり所信を表明いたします
政治が行う四つの柱は防衛 外交 経済政策 そして教育です
更に今後の少子・高齢化の社会にそなえて福祉という大きな柱が増えました
……21世紀に向けて日本は必ずしも順風満帆とはいかないでしょう
契機の停滞も当分続くことは否定できません
しかし日本が本来持っている技術力 生産力 優秀な労働力は何ら変わっておりません
そして民間には一千二百兆円もの潤沢な資金があるのです
従って日本の株価がこれほどにまで下がっている現実は日本経済の実力と比べて適正とはいえません
たまたま今は世界的規模のマネーゲームの中にほうりこまれているだけと考えたほうがいいでしょう
景気の冷えこみは守りにはいった国民の気持ちを反映しています
日本は実力があります
国際競争力もあります
あまり沈滞ムードに流されないで日本の力を信用して行動して欲しいものです
私は政治の力で経済を動かせるとは正直なところ思ってはおりません
経済は民間の力 そして国民の活発な消費で発展します
政治は経済発展のきっかけを作るだけの力しかありません
従って今後は民間主導 規制緩和をどんどん進めてまいるつもりです
どうか今のこの苦しい時を国民が力を合わせて乗り切って本来あるべき日本の姿に戻していこうではありませんか…
政治家の最も大きな責任は国民の安全を如何に守れるかということであります
どこの国の政治家もまず第一に侵略したり侵略されたりしない世界を作ることを考えます
しかしまことに残念ながら現在まだ他国の平和を侵そうとする国がこの世界には存在します
こういう国から国民を守るためには防衛力は不可欠です
ただ各国がそれぞれ十分な防衛力を身につけようとすると世界は軍拡競争になってしまう可能性が高くなり決しての望ましいことではありません
出来れば普段は小さな軍事力しか持っていないがいざという時には他国の応援を頼んで軍事力で対抗するという集団安全保障のシステムをとることが望ましい…
その形を作るには国連しかありません
国連をもっと充実させ機能させていかなければならないと思っています
そのためにも今日本は行使することの出来ない「集団的自衛権」を見直す時ではないでしょうか
「集団的自衛権」の行使と自衛隊の存在が憲法に違反するなら 当然その憲法を改正することを視野に入れなければなりません
平和は観念的に唱えているだけではやってきません
平和は現実的な対応があって初めてかちとることが出来るのです
私の在任期間中に是非この問題にとりくんでゆきたいと思います
現在の日本と照らし合わせても、そのまま当てはまる内容です。国民は経済問題や福祉問題に目がいきがちです。しかし、国民の安全を守ってくれる政治家を選ぶということが、あたりまえのようですが、なかなか選択肢がなかったりします。まずは「国民の安全を守ってくれる政治家に投票する」これを日本国民全員の心に刻んで欲しいものです。
「所信表明演説」
この度内閣総理大臣にご指名いただきました加治隆介です
就任にあたり所信を表明いたします
政治が行う四つの柱は防衛 外交 経済政策 そして教育です
更に今後の少子・高齢化の社会にそなえて福祉という大きな柱が増えました
……21世紀に向けて日本は必ずしも順風満帆とはいかないでしょう
契機の停滞も当分続くことは否定できません
しかし日本が本来持っている技術力 生産力 優秀な労働力は何ら変わっておりません
そして民間には一千二百兆円もの潤沢な資金があるのです
従って日本の株価がこれほどにまで下がっている現実は日本経済の実力と比べて適正とはいえません
たまたま今は世界的規模のマネーゲームの中にほうりこまれているだけと考えたほうがいいでしょう
景気の冷えこみは守りにはいった国民の気持ちを反映しています
日本は実力があります
国際競争力もあります
あまり沈滞ムードに流されないで日本の力を信用して行動して欲しいものです
私は政治の力で経済を動かせるとは正直なところ思ってはおりません
経済は民間の力 そして国民の活発な消費で発展します
政治は経済発展のきっかけを作るだけの力しかありません
従って今後は民間主導 規制緩和をどんどん進めてまいるつもりです
どうか今のこの苦しい時を国民が力を合わせて乗り切って本来あるべき日本の姿に戻していこうではありませんか…
政治家の最も大きな責任は国民の安全を如何に守れるかということであります
どこの国の政治家もまず第一に侵略したり侵略されたりしない世界を作ることを考えます
しかしまことに残念ながら現在まだ他国の平和を侵そうとする国がこの世界には存在します
こういう国から国民を守るためには防衛力は不可欠です
ただ各国がそれぞれ十分な防衛力を身につけようとすると世界は軍拡競争になってしまう可能性が高くなり決しての望ましいことではありません
出来れば普段は小さな軍事力しか持っていないがいざという時には他国の応援を頼んで軍事力で対抗するという集団安全保障のシステムをとることが望ましい…
その形を作るには国連しかありません
国連をもっと充実させ機能させていかなければならないと思っています
そのためにも今日本は行使することの出来ない「集団的自衛権」を見直す時ではないでしょうか
「集団的自衛権」の行使と自衛隊の存在が憲法に違反するなら 当然その憲法を改正することを視野に入れなければなりません
平和は観念的に唱えているだけではやってきません
平和は現実的な対応があって初めてかちとることが出来るのです
私の在任期間中に是非この問題にとりくんでゆきたいと思います
■引用書籍
加治隆介の議 (1)〜(10)
講談社漫画文庫 弘兼 憲史 (著)
■リンク
スイス政府「民間防衛」に学ぶ