「加治隆介の議」に学ぶ - 第4巻 P387〜393 北朝鮮という国家 -
このサイトでは、「加治隆介の議」からの引用部分は枠内部分に記述し、その前後に解説と私見を加えてます。
登場人物の紹介はこちらです
渦上 三郎は加治 隆介の属する「自由と責任党」の党首であり、連立政権の総理大臣です。このとき加治 隆介は渦上政権の官房長官を務めています。
このマンガのころは、まだ日本人拉致問題もマスコミはとりあげていませんでした。ちなみに「マンガ:李日成」→「実在:金日成」ですね。また、マンガでは「韓国に武力侵攻する」とありますが、10年前はこうだったのでしょう。でも、現在の韓国は、北朝鮮の工作員によって、オペレーションされ、親北朝鮮国家になってしまいましたから。武力を使わないで情報戦だけで韓国を意のままに動かせるようになった北朝鮮はすごいですね。
参考まで、武力を伴わない侵攻の方法はスイス政府「民間防衛」に学ぶで勉強してください。
第4巻 P387〜393
女将「あら 北朝鮮に関する資料ばかりじゃない」
渦上 三郎「うむ 今 北朝鮮で戦争がおこるかもしれない国際状況なんだ…」
渦上 三郎「最悪の場合 日本にもミサイルが飛んでくる可能性がある」
女将「あらやだ!」
女将「そんなこと世間の人は誰も知らないわよ」
渦上 三郎「なるべく国民には余計な不安を与えないように情報を押さえて来たからな」
渦上 三郎「実は相当危険なところまで来ている」
女将「ねえ簡単に説明して 私バカだから基本的なことから聞くわね」
女将「一体何故北朝鮮で戦争がおこりそうなの」
渦上 三郎「北朝鮮は社会主義国というのは知っているな」
女将「それぐらい知ってるわ李日成という独裁者がいる国ね」
渦上 三郎「そうだ 彼は1948年の建国以来ずっと北朝鮮を支配してきたカリスマ的存在だ」
渦上 三郎「当初は豊かで平和で平等な理想社会を作ろうという高邁な思想のもとにスタートしたが他の共産圏国家と同じように計画経済による構造破綻で国内経済は大変苦しい状況になった」
渦上 三郎「それでも李日成は『北朝鮮は他国に比べて豊かな国だ』と国民に言い続けてきた そのウソがばれないように海外からのすべての情報はシャットアウトしたんだ」
女将「でもそんなこと出来るの?ラジオの電波は飛んでくるしスポーツ外交で多くの選手が外国を見てきているでしょ」
渦上 三郎「勿論国民もバカじゃない うすうすかんづいてるさ でも それを口に出したら たちまち牢獄行きだ」
渦上 三郎「李日成は独裁者にありがちなマインドコントロールをした つまり中国の文化大革命のように李思想を絶対のものとして国民におしつけたんだ 勿論彼の思想に反対することは一切出来ない」
渦上 三郎「家々には李主席の肖像を飾らせて それを壊したり汚したりした者には厳しく制裁を加えた」
女将「いわるゆ恐怖政治ね」
渦上 三郎「彼は北朝鮮という国を私物化したんだな 首都平壌は自宅の庭という感覚なんだ」
渦上 三郎「従って自分の敷地内は多大なる金をかけて整備した そして それを守るためにGNPの10〜20%を費やして軍事力を強化した」
渦上 三郎「湾岸戦争で使われたスカッドミサイルを手に入れ更に『ノドン1号』という射程距離千kmという中距離ミサイルを開発中だ」
女将「え?すると日本も射程距離にはいっているの?」
渦上 三郎「そうだ '93年の5月には日本海に数発のミサイルがうちこまれた これは発射実験であると同時に明らかに日本に対するデモンストレーションだ」
渦上 三郎「そして今北朝鮮には核兵器を開発しようという動きがある 宇宙から偵察衛星でこのことをキャッチした西側諸国は核開発を止めるためにアメリカを中心に交渉を始めた」
渦上 三郎「いわゆるIAEA(国際原子力機関)の核査察の申し入れだ」
渦上 三郎「ところが北朝鮮は内戦干渉をたてに これを拒否し続けている そこで この問題は国連の場に持ち込まれた」
渦上 三郎「北朝鮮がこれ以上査察を拒否すれば外国からの食料やエネルギーをストップさせるという いわゆる経済制裁が行われることになるだろう」
女将「すると どうなるの?」
渦上 三郎「おそらく深刻な食料不足になり各地で暴動がおきることになる 李日成としては それを避ける方法として南進(韓国へ軍を進めること)という選択肢をとってくるのではないか と言われている」
女将「つまり戦争が始まってしまうというわけね…」
渦上 三郎「そうなれば湾岸戦争のように国連決議のもとに多国籍軍を結成して対抗するしかない」
女将「それに日本の自衛隊が参加すると…」
渦上 三郎「そうなんだ そうならないことを望むけどな…」
女将「あら 北朝鮮に関する資料ばかりじゃない」
渦上 三郎「うむ 今 北朝鮮で戦争がおこるかもしれない国際状況なんだ…」
渦上 三郎「最悪の場合 日本にもミサイルが飛んでくる可能性がある」
女将「あらやだ!」
女将「そんなこと世間の人は誰も知らないわよ」
渦上 三郎「なるべく国民には余計な不安を与えないように情報を押さえて来たからな」
渦上 三郎「実は相当危険なところまで来ている」
女将「ねえ簡単に説明して 私バカだから基本的なことから聞くわね」
女将「一体何故北朝鮮で戦争がおこりそうなの」
渦上 三郎「北朝鮮は社会主義国というのは知っているな」
女将「それぐらい知ってるわ李日成という独裁者がいる国ね」
渦上 三郎「そうだ 彼は1948年の建国以来ずっと北朝鮮を支配してきたカリスマ的存在だ」
渦上 三郎「当初は豊かで平和で平等な理想社会を作ろうという高邁な思想のもとにスタートしたが他の共産圏国家と同じように計画経済による構造破綻で国内経済は大変苦しい状況になった」
渦上 三郎「それでも李日成は『北朝鮮は他国に比べて豊かな国だ』と国民に言い続けてきた そのウソがばれないように海外からのすべての情報はシャットアウトしたんだ」
女将「でもそんなこと出来るの?ラジオの電波は飛んでくるしスポーツ外交で多くの選手が外国を見てきているでしょ」
渦上 三郎「勿論国民もバカじゃない うすうすかんづいてるさ でも それを口に出したら たちまち牢獄行きだ」
渦上 三郎「李日成は独裁者にありがちなマインドコントロールをした つまり中国の文化大革命のように李思想を絶対のものとして国民におしつけたんだ 勿論彼の思想に反対することは一切出来ない」
渦上 三郎「家々には李主席の肖像を飾らせて それを壊したり汚したりした者には厳しく制裁を加えた」
女将「いわるゆ恐怖政治ね」
渦上 三郎「彼は北朝鮮という国を私物化したんだな 首都平壌は自宅の庭という感覚なんだ」
渦上 三郎「従って自分の敷地内は多大なる金をかけて整備した そして それを守るためにGNPの10〜20%を費やして軍事力を強化した」
渦上 三郎「湾岸戦争で使われたスカッドミサイルを手に入れ更に『ノドン1号』という射程距離千kmという中距離ミサイルを開発中だ」
女将「え?すると日本も射程距離にはいっているの?」
渦上 三郎「そうだ '93年の5月には日本海に数発のミサイルがうちこまれた これは発射実験であると同時に明らかに日本に対するデモンストレーションだ」
渦上 三郎「そして今北朝鮮には核兵器を開発しようという動きがある 宇宙から偵察衛星でこのことをキャッチした西側諸国は核開発を止めるためにアメリカを中心に交渉を始めた」
渦上 三郎「いわゆるIAEA(国際原子力機関)の核査察の申し入れだ」
渦上 三郎「ところが北朝鮮は内戦干渉をたてに これを拒否し続けている そこで この問題は国連の場に持ち込まれた」
渦上 三郎「北朝鮮がこれ以上査察を拒否すれば外国からの食料やエネルギーをストップさせるという いわゆる経済制裁が行われることになるだろう」
女将「すると どうなるの?」
渦上 三郎「おそらく深刻な食料不足になり各地で暴動がおきることになる 李日成としては それを避ける方法として南進(韓国へ軍を進めること)という選択肢をとってくるのではないか と言われている」
女将「つまり戦争が始まってしまうというわけね…」
渦上 三郎「そうなれば湾岸戦争のように国連決議のもとに多国籍軍を結成して対抗するしかない」
女将「それに日本の自衛隊が参加すると…」
渦上 三郎「そうなんだ そうならないことを望むけどな…」
■引用書籍
加治隆介の議 (1)〜(10)
講談社漫画文庫 弘兼 憲史 (著)
■リンク
スイス政府「民間防衛」に学ぶ